先日、テレビを見ていたら
ある著名な経営者がインタビュー
でこんな話をしていました。

 

「資料作成はムダなので
 私が社長になってからは
 ペーパーレスにしました。

 会議もムダなものばかりだったので
 最低限にして廃止させました。」

 

まあ、ありがちな話といえば
それまでなのですが、こういう発言
を聞くたびにこう感じてしまいます。

 

 きっと数年後には
 この会社傾いてるんだろうな、

 そしてやっぱり資料が大事だ!
 会議も大事だ!
 って言いだすんだろうな・・・

 

あくまでもテレビですからね。

前後の文脈はカットされてる可能性
が高いですし、本人も部分的に
切り取られてご立腹かもしれない。

ただ、もし本当にこの社長が
本心から上記の発言をしたの
だとしたら、本当に傾くと思います。

 

そもそも、なぜ仕事で資料を
つくるのかといえば、文脈次第で
色々言えますが、たとえば

 

会議前に思考整理するため

 

にフォーカスしてみましょう。

事前に資料を作りながら
思考整理すなわち、

 

 考え抜いている

 

からこそ、

 

 会議でも理路整然と
 端的に発言することができる

 

わけです。そうやって
会議の参加者が皆しっかりと
事前準備をやっていれば、

 

 実のある議論ができ
 ムダな会議も減らせる

 

でしょう。それなのに、

 

 資料作成時間がムダだから
 ペーパーレスにした

 

って、

 

 社員から思考整理
 の機会を奪う愚策

 

としか思えないのですが
いかがでしょうか。

 

十分な思考整理ができないまま
会議を開催すれば、当然ながら

 

 その場の思いつきレベルで
 発言せざるを得ない

 

わけですから、結果、
ムダな会議は増えるでしょう。

 

 資料作成を省き、
 会議の数を減らした

 

って、

 

 なんだか根本的に
 ズレたことをやっている

 

と思うのですが・・・

この社長の会社の場合、

 

 ムダな資料作成の時間
 を減らしてペーパーレス化

 

ではなくて、

 

 資料作成時間=思考整理時間
 =仕事について考え抜く時間

 

なんだという認識の啓発が必要
なのではないでしょうか。

 

しっかり思考整理したうえでの
資料を持ち寄った会議なら、
決してムダにはなりえません。
だから減らす必要もありません。

 

今回の話、
ご理解いただけたでしょうか。

 

特に、

 

「資料作成はムダなので
 私が社長になってからは
 ペーパーレスにしました。

 会議もムダなものばかりだったので
 最低限にして廃止させました。」

 

こういう発言を見聞きした時に、
発言者の権威や雰囲気に呑まれて、

 

 確かにそのとおりだ!!!

 

と安易に納得してしまう方に
警鐘を鳴らす意味で書いてみました。

 

では、また次回。

 

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