前回から、
伝わるコミュニケーションで大切なことは
メルセデスベンツ・ミュージアムで学んだ
と題してお送りしてます。
冒頭の写真は、圧巻のシルバーアロー展示です。
第１回でお伝えした通り、この建物はらせん状。
湾曲部分をサーキットのバンク部分に見立てて展示しているわけです。
この辺りの見せ方もいちいち巧くて面白いです。
さて、今回のお題となる写真はこちら。
奥にあるのが展示物。
手前にあるのがオーディオガイドです。
ご覧の通り、日本語字幕＆音声でガイドしてもらえます。
このミュージアムに入るためには、
手荷物を全てロッカーに預けなければなりません。
そうして手ぶらで中に入ると、
全員に、強制的にオーディオガイドが渡されます
なので、以下の写真のように全訪問者がイヤホンをつけた状態で見学します。
これまで色々なミュージアムを訪れましたが、
全員に、強制的にオーディオガイドを配る
ミュージアムはここがはじめてでした。
ですが、
伝わるコミュニケーションの実現
において、これは極めて重要なことです。
当り前のことですが、
何かが正しく伝わるためには、
それ相応の背景知識が必要
です。
今回、冒頭で敢えて「シルバーアロー」
と書きましたが、背景知識がないと
？？？という感じになってしまうと思います。
※背景知識の解説はこちらをクリック
自動車業界やベンツのことについて
詳しければ詳しいほど、
このミュージアムを楽しめる
し、また造り手側としても、
・こういう意図で展示したから、
・こういう風に理解してほしい、
・そしてこう受け取ってほしい
ということは当然あるはず。
従って、「好き勝手見て！」
ではなくしっかりガイドする。
自動車関係者でなくても、
理解するために必要な背景知識や
専門知識を補いながら見学できる
言語化してしまうと
実に基本的なことですが、
入館料の範囲内（追加支払いなし）で
これを当り前のこととしてやっている
というのが本当に珍しいし素晴らしい。
しかも、英語だけでなく日本語もあり、
（５カ国分くらいあったと思います）
ボタン操作が不要で、
ただ展示物に近づくだけで
ガイド音声が自動再生される
って、どんだけ最先端・・・
ほんとストレスフリーで見られます。
というわけで、
伝わるコミュニケーションの本質
としては、
背景知識を補いながら伝えよう
あるいは、
相手の知識レベルを無視して
一方的に伝えるのはやめよう
ということで以上なのですが、
マーケティングコミュニケーション
の文脈で少しだけ続きを。
見学終了後、当然ながら
オーディオガイドを返却したのですが・・・
なんと、
ネックストラップはプレゼント
ということでもらえてしまいました。
これ、本当に巧いなと。
お土産
を渡しておくと、帰国後、
これがネタ・きっかけ
になり、
ベンツ・ミュージアムが話題となる場面
が世界中でうまれます。
つまり、
オーディオガイド用のネックストラップ
が退館後は一転、
口コミ発生ツール、
マーケティングツールとして
新たに機能してしまうわけです。
そもそも入館料自体が大して高くない
にもかかわらずこの待遇、
マーケティング的な意図があって
やっていることは明らか
でしょう。
（その意図に見事にのっかって
こうしてブログを書いているわけです）
私も自分が主宰する「１枚」ワークスで、
オリジナルの公式ノートをつくったり、
一部のコア受講者の方には、
ご覧のようなエンブレムもプレゼントしています。
受講者の方々がこれらを身につけ
実践する姿を周りに見せれば、
・このマーク何？
・このノート何？
・「１枚」フレームワーク？どんなスキルなの？
ということが当然起きえます。
話題づくりのきっかけは小道具から
ということで、個人・法人を問わず
こういったギミックもしっかり設計
した方が良いと思いますし、
入館前から入館後までカンペキに設計
されているベンツ・ミュージアムを
ぜひ一度訪問してみると良いと思います。
では、また次回。
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